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熱中症対策について

 最近の、熱中症に関するマスコミ報道を見ていて、輻射に関して全く触れられていないことに、問題があると感じます。死者が出ている現状を考えると、深刻な問題だと思います。

人間の体温調節は、体内からの発熱、気温、体内に入る輻射、体内から出て行く輻射、汗をかき気化熱を奪われることによる放熱、これらを調節して、体温を36度一定に保つことになります。

気温を測る場合は、最近は変わったようですが、以前は、百葉箱の中に温度計を入れ、輻射の影響を受けないようにして、気温測定を行っておりました。専門家の間では、輻射に関する認識は十分あるはずです。

現状認識
1,先日の報道で、北海道で屋根裏の65度設定の火災報知器が誤作動して、消防自動車が数百回出動したそうです。
 現在の住宅は、高気密高断熱であるため、太陽光線により屋根を熱せられると、熱がこもる傾向が強く、屋根裏は、65度に達することが確認されました。北海道の住宅は、高気密高断熱の高性能住宅が多いため、顕著に表れたのだと思います。
2,私は、長野県の比較的高気密高断熱住宅に住んでおります。エアコンのない状態で、天井温度を、輻射温度計で測定したところ、37度から43度に達しているのを確認しました。このときの室温は、窓を開放状態で34-5度でした。
3,この地球上で最も良い断熱材は何ですか?
 発泡スチロールとか、ウレタン、グラスウールなどと答える人がいると思いますが、実は、これらの中に入っている空気こそが、この地球上で最も優れた断熱材なのです。
 ただし、空気のままでは対流等により、攪拌されるため、断熱効果はそれほど現れません。そこで、対流を防ぐために、発泡スチロールなどに空気を閉じこめることにより、対流を抑え、高性能断熱材として使用しているのです。即ち、空気は、使い方によっては、高性能断熱材です。

輻射とは
 輻射とは、エネルギーです。照射された相手を加熱するためのエネルギーとして使われます。すべての物質から、その温度に見合った輻射エネルギーが、放出されています。輻射の代表として、太陽光線があります。
 輻射の特徴としては、空気やガラスを透過し、直接照射した物体を加熱することになります。太陽光線は、空気を透過し、直接、道路や、ビルの壁面などを加熱します。また、エアコンの効いた車の中に、赤ちゃんを放置した場合、太陽光線が空気やガラスを透過し、直接、赤ちゃんを加熱し、赤ちゃんは汗をかきながら、エアコンの効いた車内でなくなるということはあり得ることです。

熱中症について
 身体からは常に発熱を続けております。そして、空気を通して、輻射を通して、放熱をすることにより、体温を36度一定に保っていることになります。
 気温が低いときは、体温に暖められた空気は、軽くなり、上昇気流となり対流が起こるため、新しい空気を加熱することにより、空気による熱伝導により放熱することは可能です。しかし、気温が上昇し、体温に近づくと、対流が起こりにくくなり、空気の持つ高性能断熱材として働きが顕著となり、熱伝導による放熱が困難になります。もちろん、気温が、体温を超えれば、熱伝導による放熱は不可能になります。輻射による放熱のみとなります。輻射による放熱を行うためには、輻射による体内への流入量より流出量が多い場合に限られます。即ち、壁面等の温度が高温になると、輻射による流入量が多くなり、輻射による放熱は不可能になります。放熱が不十分になると、汗をかき、気化熱を奪うことにより、体温調節を行うこととなります。しかし、気化熱を奪えるのも、湿度が低い場合だけで、湿度が高くなると、気化しなくなり、気化による放熱も不可能になります。ここから熱中症が、始まることになります。
 なお、この説明はあくまでも理論上です。実際に、何度から、どのような状態になるかなどは、確認をとっておりませんので、・・・。

よって熱中症が起こりやすい条件としては
 太陽光線を一次輻射、太陽光線により加熱された、路面や壁面(室内外を問わず)から放射される高温二次輻射、森林など、周りに高温部分がないところでの低温二次輻射と分けて考えると、太陽光線を直接浴びる、一次輻射で、熱中症になりやすいのは言うまでもありませんが、太陽光線を避けたとしても、高温二次輻射の中にいたのでは、依然危険は去っていないと言えます。特に、密閉された、湿度の高いところにいたのではきわめて危険と言えます。低温二次輻射の場所に避難する必要があります。ところが、高温二次輻射と、低温二次輻射との区別は素人ではつきにくいことと、報道ではこのような説明を全く行っておりません。そのため、避難したつもりが、高温二次輻射の場所に身を置き、死に至っているのではないかと心配します。
 具体的には、体育館内や、室内で、死者が出ておりますが、高温二次輻射の状態にあったのではないかと思います。
 高温二次輻射であるか低温二次輻射であるかの判断基準は、即ち、致死温度は何度であるかは、そのときの健康状態もあり、判断は難しいと思いますが、今、廉価で輻射温度計は販売されております。この輻射温度計を使って、高温二次輻射の状態にあるのか、低温二次輻射の状態にあるのかのある程度の判断はできるのではないかと思います。高温二次輻射の状態であることがわかった場合には、クールビズなどといわず、エアコンの設定温度を下げるなど対策が必要です。

少なくとも、熱中症の対策としては、水を飲み、塩分をとるだけでは、不十分です。高温二次輻射の場所から離れることも必要です。特に熱中症になった人は、低温二次輻射の場所に避難することが重要です。


                                                    2007年8月23日発行